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AI翻訳はどこまで進化した?プロによる人手翻訳が優る3つのポイント

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人工知能(AI)の登場や様々な支援ツールの開発により、機械翻訳と人手翻訳の垣根は年々低くなってきました。今だからこそ、知っておきたい2つの翻訳サービスの特徴と、その違いを具体例とともにご紹介します。

機械翻訳とは?

現在主流の機械翻訳では、まず機械で訳文を自動生成し、それから人の手によって「ポストエディティング」と呼ばれる編集作業を行います。手動作業を減らすことで、納期を短縮し、コストを削減できる点が最大のメリットです。さらに、繰り返しや定型表現が多い文章においては、人為的なミスにありがちな表記や表現の不統一を避け、プロジェクト内の一貫性を保つことも期待できます。

肝心の質はというと、ひと昔前は機械生成した訳文を編集するよりも最初から翻訳したほうが早い、とまで言われていましたが、最近ではAIの発展により、訳文の精度が飛躍的に向上しました。現状はまだ機械翻訳のみで(人の手による編集なしで)納品できるレベルには至っていない、というのが一般的な認識のようですが、今後データの蓄積とともに機械学習が深化するにつれ、さらなる発展が見込める分野です。

人手翻訳とは?

経験豊富なプロの翻訳者が行う人手翻訳は、高度な専門知識を要する分野から、コピーライティングの要素が求められるマーケティング文書まで、質の高さに定評があります。また、ネイティブによる翻訳の場合、文化的背景に対する深い理解に基づく、訴求力の高い訳文が作成できるのも人手翻訳の魅力と言えるでしょう。

一般的に人手翻訳は質が高い分、高額で時間もかかるものですが、近年では機械翻訳に対抗するため、価格とスピードの面においても競争力を高めてきました。具体的には、過去訳を蓄積したデータベースや用語集の活用により、作業の効率アップを図っているほか、複数の翻訳者が共同作業できるクラウドベースのプラットフォームを導入することで、一定の品質を維持しつつ作業スピードを向上しています。

比べてみましょう

それぞれにメリットのある人手翻訳と機械翻訳ですが、どのような時にプロの翻訳者による人手翻訳がおすすめなのでしょうか? 逆に、AIの力を持ってしても、いまだに機械翻訳が苦戦するのはどのような文章なのでしょうか? 実際の例を比べてみましょう。

あるパティシエのプロフィール文章を、機械と人手の両方で訳してみます。

[人手による翻訳]
パティシエの●●は、パリで5年間の修行を積んだのち帰国。農家の長男ということもあり、一度はこの道を諦めかけたが、スイーツでお客様を笑顔にするという夢を諦めきれず、自分の店を構えることを決意する。

[機械による翻訳]
●● of the pastry came back after 5 years of training in Paris. Sometime as the eldest son of a farmer, I gave up this road once, but I can not give up on my dream of making the customer smile in the sweets, I decide to set up my own shop.

おまかな意味は把握できますが、問題は下線部分。原文「農家の長男ということもあり」に対して、訳文「Sometime as the eldest son of a farmer/ある時は農家の長男として」は、ニュアンスがだいぶ変わっているのがわかります。この原文を正しく解釈し、自然な英語に訳すには、実は3つのステップを踏む必要があるのです。

ステップ1:「~ということもあり」の解釈

前後の文脈から、この「こと」は「理由」を指していると判断できます。「~もあり」は理由を一つに限定するのを避けるための婉曲表現ですが、英文においてはしばしば省略されます。Google翻訳では、「(~こともあれば)~こともある」と解釈されてしまったため、sometimeという表現が採用されたようです。こうした微妙な言い回しは、文法に忠実に訳すようプログラムされている機械翻訳には不向きな分野でしょう。

ステップ2:「農家の長男」の解釈

この表現には、2つの文化的な「assumption(前提)」が潜んでいます。

農家=日本の農業はいまだに家族経営が多い。 長男=日本において伝統的に家業は長男が継ぐ慣わしがある。

つまり、「農家の長男」と「夢を諦めること」の因果関係を理解するには、こうした文化的背景を理解している必要があるのです。この部分を補足して言い換えると「長男として家業である農業を手伝う必要があるため/As the eldest son, he needed to help his family-own farm」となります。

ステップ3:「irrelevant(無関係・不必要)」な情報の省略

前提となっている文化的背景が明らかになったところで、はたして海外オーディエンスにとって日本の家長制度の説明はどれほど重要でしょうか?この文脈においては、むしろ不要な情報かもしれません。このような場合は「潔く削る」ことも大事な編集判断です。

以上の3つのステップを経て、人手翻訳により作成された訳文がこちらです。

[プロの翻訳者による翻訳]
●● spent five years honing his skills in Paris and came back to Tokyo. Although he once gave up his career as a pâtissier to help his family-owned farm, he could not abandon his dream to make people happy with his dessert, so he decided to open his own patisserie.

下線部分が簡潔になったうえ、語順も入れ替えたため、「家業の農業を手伝うために一度はパティシエの道を諦めたが…」とスムーズに読めるようになりました。

もちろん、ここまで大胆に意訳・編集するにはクライアントへの確認・許可が必要ですが、多言語・異文化間のコミュニケーションには時にこれほど多くの工夫が必要となり、それを実現するには翻訳者の熟練の技と知識が欠かせません。原文の持つ細かなニュアンスまで再現したい時や、読み手の心に響く文章にしたい時は、プロの腕に頼ることをおすすめします。

おわりに

いかがでしたでしょうか。機械翻訳にまだまだ人手がかかる一方、人手翻訳にもテクノロジーの支援が不可欠な近年の翻訳業界。今後も両サービスは切磋琢磨しながら発展を続けていくことでしょう。常に最新の動向をチェックして、自分の目的に合った翻訳サービスを検討してみてください。

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